
第9話の続きです。病斑の周りにできる鮮やかなリング(=ハロー)の話です。haloと書きます。英和辞書には【絵画:聖像の上方に描かれる光輪】とあります。なるほどですね。 |
前回もお見せした写真ですが、再掲します。鮮やかなリング(=ハロー)を堪能してください。このリングはなにやら金環食と似ておりませんか。このような症状に出会うと病理研究者の9割以上は、心中深く感動しているはずです。
<病原細菌>
Pseudomonas savastanoi pv. phaseolicola (シュードモナス・サバスタノイ・パソバール・ファゼオリコーラ)
<伝染経路>
病原細菌は種子の表面に付着したり、内部に侵入したりして生存しています。これを種子伝染といいます。これが植物の体内を通り、発病した姿がハローです。種子からの発病が第一次伝染です。ここで病原細菌は爆発的に増加し、雨と風に乗って健全な他のインゲンマメに伝染していきます。これが第二次伝染です。感染種子が10粒ほどで、40アールの畑に病気がまん延すると言われています。無病種子を用いることが基本中の基本です。
| ▲インゲンマメかさ枯病 | ▲インゲンマメかさ枯病 拡大病斑 |
| ▲アズキ褐斑細菌病 | ▲アズキ褐斑細菌病 拡大病斑 |
| ▲ダイズ斑点細菌病 | ▲ダイズ斑点細菌病 拡大病斑 |
| ▲ダイズ斑点細菌病 葉の裏面 |
| ▲培養中の細菌 | ▲培養中のカビ(糸状菌) |
今回のキーワード:ハロー、種子伝染、病原細菌
写真提供:(社)北植防、著者原図

植物病理のスペシャリスト。40年にわたって、タマネギやバレイショ、豆類など、北海道の主要農産物における病害虫の生態解明に力を尽くし、防除に役立てている。何よりフィールドワークを大切に、夏から秋は精力的に畑を回る。調査研究の原動力は“飽くなき探求心”。
[profile]
農学博士・北海道植物防疫協会常務理事。北海道大学大学院卒業後、道内各地の農業試験場で研究を続け、中央農業試験場病理科長、同病虫部長、北見農業試験場長を歴任。2000~2013年度まで北海道植物防疫協会会長。
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