
作物には「持病」があります。キュウリでは黒星病がそれにあたります。 持病、つまりもっとも罹りやすい病気なのですが、それほど頻繁に目にするものではありません。農家はこの病気を丁寧に防除しているからです。でも手抜きをすると大発生して、大きな被害をもたらします。 |
キュウリの苗はハウスで作りますが、その苗の時代から始めます。
ポツンと小さな褐色の斑点ができます。それから、その周りに脱色したリングができ、斑点はだんだん大きくなります。リングはハロー(halo;後述)といい、植物の病気でよく出てくる大切な症状です。キュウリが大きくなるにしたがって、茎や果実にも症状が出てきます。茎に盛り上がったカビが付いているのは病原菌です。果実つまり食用部分ですが、ここに症状が現れるのがもっと困ります。商品価値を失ってしまうからです。ヤニが吹き出し、最後に黒っぽいカビがつきます。
| ▲キュウリの黒星病(葉の症状、苗) | ▲キュウリの黒星病(茎の症状、胞子の塊) |
| ▲キュウリの黒星病(果実の症状、「ヤニ」に注目) |
| ▲病原菌の胞子 | ▲メロンの黒星病(葉の症状) |
| ▲カボチャの黒星病(果実の症状) | ▲純粋培養中の病原菌 |
今回のキーワード;ハロー
写真原図:野津あゆみ氏、著者

植物病理のスペシャリスト。40年にわたって、タマネギやバレイショ、豆類など、北海道の主要農産物における病害虫の生態解明に力を尽くし、防除に役立てている。何よりフィールドワークを大切に、夏から秋は精力的に畑を回る。調査研究の原動力は“飽くなき探求心”。
[profile]
農学博士・北海道植物防疫協会常務理事。北海道大学大学院卒業後、道内各地の農業試験場で研究を続け、中央農業試験場病理科長、同病虫部長、北見農業試験場長を歴任。2000~2013年度まで北海道植物防疫協会会長。
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